海のむこうで

著者 M.B. ゴフスタイン
翻訳 石田ゆり子
発行者 勝木悠香理
発行所 株式会社トンカチ

¥2,750 (税込)

【商品について】

1968年に発表された、M.B.ゴフスタインの初期の傑作「ACROSS THE SEA」。私たちトンカチは、この夢見る傑作のタイトルを「海のむこうで」とし、石田ゆり子さん初の翻訳でみなさまにお届けいたします。

この本のオリジナル版「ACROSS THE SEA」は、傑作とされながらも日本では未刊行となっていた幻の作品。日本でも有名な2つの本「Brookie and Her Lamb」と「Goldie the Dollmaker」の間に出版された、ゴフスタインにとって4つめの絵本です。その物語は独立した5つの物語で構成されており、海のむこうでおじいさんと私が時空を超えて出会うお話からはじまり、ひと気のない風車に現れた食いしん坊な鳥のお話で幕を閉じる。それぞれが繋がっているようで、はっきり繋がっているわけではないこの物語は、海と、空と、記憶でつながり、静かな日常の中で手を精一杯伸ばした数センチ先にある、もう少しで届きそうな希望について描かれています。

【デザインについて】

モノクロのイメージが強いゴフスタインですが、オリジナル英語版は赤・青・黒の3色で印刷されています。このカラーバージョンはボックスセットのオリジナル・リマスター版で再現することとし、日本語版ではカラーリングをイチから考え直しました。最初はモノクロで構成したのですが、その後カラーに変更。何回もカラーリングを変更して、最後の最後にこの色に落ち着きました。こだわりは海の色が場面によって微妙に違うこと。そして正体不明の女の子(表紙と最後に出てくる女の子を私たちはそう呼んでいます)のサボの色。ソフィーの左右の色が違うサボ(なぜ?)。そして海を流れる赤いサボです。サボをめぐるもう1つの物語が背後に感じられるように「いたずら」を仕掛けました。装丁は最初から絶対に「布」と決めていて、色はやっとここに落ち着きました。

【制作スタッフより】

多忙な中、翻訳を引き受けてくれた石田ゆり子さんの文章に後押しされるように、私たちは出来上がっていた本をすべてやり直しました。最初に構想した時から2年の月日がたちましたが、突然全てが終わり、私たちはまだ、この本と冷静に向き合えません。ゴフスタインさんが言うように「届かないところに精一杯届こうとした」そんな本であることは確かです。気に入ってくれたら嬉しいです。

【絵本のあらすじ】

おじいさんが私のために作ってくれた「私のお友達」、私とかわいい帽子のリス、お父さんと登った大きな木、ソフィーのピクニック、ソーセージをかぷり、大きなブーケを靴の船に乗せて海のむこうへ、私の風車さん、私の風車さん。

第1話:「海の向こうで」

第2話:「リスのお散歩」

第3話:「ソフィーのピクニック」

第4話:「今日という日に」

第5話:「風車」