おばあちゃんのはこぶね
こんなにもあたたかい表現で「死」をテーマにした絵本はないかもしれません。
90歳のおばあちゃんが、子どもの頃父親につくってもらったノアの方舟と動物たちとともに歩んできた道のりが描かれています。塗装は剥げてしまったけれど、たくさんの思い出が詰まったノアの方舟の存在は心をあたためてくれます。
巻末にある「ゴフスタイン最期のことば」、「死ぬことは構わない。まったく。」に、つながっているのではないでしょうか。
仕事に大きな関心をよせていたゴフスタイン。
作家としてだけでなく、生きる上で大切にしていることを彼女らしくユーモラスに語られている「最期のことば」も心にせまるものがあります。
絵本とともに、ゴフスタインの復刊にも携わられた絵本編集者末盛千枝子さんの、ゴフスタインへの愛あるメッセージにもお楽しみください。